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2012年神経学会学術大会速報(3日目)後編

第2部 てんかん治療のGoalを、改めて問う

赤松 直樹
産業医科大学神経内科学准教授

発作がなくなり、副作用がないのが、てんかん治療のゴールであることに変わりはない。

現在、70%のてんかん発作は、薬で抑えることが可能だが、発作の抑制効果を重視する医師と違い、患者さんのQOL感は、副作用の有無に依存している。あまり発作の頻度に関係ないようだ。

症例(1) 65才女性。 同居を始めた姉が、1~2分意識が減損することに気が付いた。手や口唇のふるえ、既視感(デジャブ)の前兆から、側頭葉てんかんと診断。テグレで皮疹が出現。ラミクタでも皮疹が出ることを恐れ、イーケプラにクロナゼパム(リボトリール)をアドオンして発作を抑制。

*イーケプラ 腎排泄。腎機能障害があると、血中濃度が上がりやすいことに注意。不機嫌になることも。

症例(2) 両側の側頭葉からてんかん発作が月に5回程度出る症例。両側なので、Op適応にならず、テグレで効果不十分。ガバペンで、発作抑制。

*ガバペン 抗てんかん作用は弱い。てんかんは部分発作にのみ適応。疼痛治療に用いられる。ミオクロニーには禁忌。

症例(3) 26歳男性。側頭葉てんかん。テグレで皮疹。トピナにイーケプラ併用し、発作抑制。

症例(4) 12歳男性。皮質形成異常による発作。MRIで左脳室から前頭葉に異常信号域。右手がじんじんすることから始まる発作。トピナで発作抑制。

*トピナ 25mgから開始し、維持は50~600mg/x2。トピナはよく効くが、過鎮静、気分を安定させることがある一方うつ状態を引き出すこともあることに注意。よく効くエクセグランというイメージ。体重減少に注意。

症例(5) 22歳女性。17歳の時にてんかん発症。併存症として片頭痛あり。トピナの50mg投与でてんかん発作も片頭痛も改善した。

症例(6) 24歳女性。顔にミオクロニー発作。女性で妊娠希望があるため(通常第一選択はリボトリール)ラミクタ投与200mgで発作抑制。

症例(7) 24歳女性。強直間代発作・ミオクロニー・欠神発作の複合例。トピナで除脈。減量しラミクタ50mg アドオンで発作抑制。

*ラミクタ 妊娠に対する影響が少ないため、女性にはいい適応。抗うつ作用もあるため、うつが併存する方にもいい適応。テグレトールに似ているが、強直間代発作にも効く、というイメージ。

【まとめ】

  • トピナとイーケプラは、抗てんかん作用が強い。ただし、トピナは中止例も多い。
  • QOLと効果の関係。ドイツでのデータ。ラミクタとイーケプラのヘッド・ツー・ヘッド。発作抑制効果は同じ。副作用に関しては、倦怠感・不機嫌はイーケプラに多く、皮疹はラミクタに多かった。
  • ラミクタ 認知症併存例にいい。女性と高齢者に優しい。
  • トピナ 抗てんかん作用は強い。中止例も多いので、玄人向け。
  • イーケプラ 使いやすい。抗てんかん作用も強い。不機嫌には注意。
  • ガバペン 小児と高齢者に優しい。

フロアから「難治性痙攣という言い方をすることがあるが、何をさして難治というか?」

講師「発作型にあった薬剤を使用しても、1年以上発作がコントロールできない例」自分としては、ここに「コンプライアンスが良いことも確認の上」と付け加えたい。つまり「きちんとお薬飲めてますか?」

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